あしあと。
息子が旅立ってから来月で一年になる。
今になってやっと当時を思い出す事が出来るようになった。
私は生きようと決めたから。
目的も生きがいもないけど、ただ生きてみようと思ったから。
息子が旅立ってからの私は、もう私ではなくなった。
私の横には常に人がいる生活になった。
もう、監視の様な感じだ。
私の前からは台所の包丁、ナイフ、ロープに長いタオルがなくなった。
右手の震えが止まらず、左手で右手を押さえている。
過食に走ってしまったのもこの時期。誰も居ない所で炊飯器の釜からご飯食べて吐いていた。
家族は支えてくれていた。
受験生の次男と特に仕事の忙しい時期に支えてくれた主人。
病院には行かなかった。
主人が大丈夫!と言ってくれたから。
でもバラバラになった。
きっと私だけでなく家族みんなが自分でなくなったのかも知れない…私みたいに…。
現在は台所の包丁もナイフやロープや長いタオルが元の場所に戻っている。
監視はなくなったがラインは毎日、何回かある。
手の震えはまだあるけど少なくなった。
過食はなくなった。
ぼちぼちだけど私は歩けてます。
家族も歩いています。
息子が旅立つ前の生活になんて戻れません。
未だに受け止められないけど、とりあえず生きてみようと思った、歩こうと思った。
一人で歩いてませんよ。
そんなに強くはないんで…。
私は頑張ってません。
周りと環境、時間に助けられている。
こんな家族もいるんですよ…。
あなたの大切な家族をこんな辛い想いをさせないで下さいね…。